15世紀頃、ヴィオールというヨーロッパで使われていた楽器が、
ヴァイオリンの誕生に大きく影響していると言われています。
ヴィオールにはヴィオラ ダ ガンバとヴィオラ ダ ブッチョという2種類がありました。
ヴィオラ ダ ガンバは脚のヴィオラという意味で、膝などにはさんで演奏する楽器です。
ヴィオラ ダ ブッチョのブッチョが腕の意味で、
このヴィオラ ダ ブッチョが、ヴァイオリンの誕生に関わっていたと考えられます。
バイオリンが生まれたのは16世紀のイタリアです。
初期の製作者では、ガスパロ ダ サロ(1540~1609)と
アンドレア アマティ(1511以前~1577)の二人の職人が知られています。
バイオリンは誕生した頃から、現在の楽器と同じ形と構造をしていました。
バイオリンの始祖アンドレア アマティののちも、
彼の一族はバイオリン職人として活躍し、ニコロ アマティという天才職人が生まれています。
そしてその弟子の一族から、ストラディバリ ガルネリなどの名職人が生まれ、
バイオリン製作の技術を代々受け継いでいきました。
17世紀~18世紀には現在も名器といわれる楽器が数多く生まれました。
その多くが今でも演奏できる状態であるということは、
当時の職人達の技術とともに、バイオリンという楽器自体の完成度の高さを
示しているということもできるでしょう。